代理親 愛情の子育て 新聞記事

北海道新聞 2022年(令和4年)7月13日(水)

阿寒国際ツルセンター 代理親 愛情の子育て

釧路市動物園で人工飼育されたアサヒと、アサヒに恋してケージに飛び込んできたソラは2010年に大恋愛の末結ばれたペア。
14年から阿寒国際ツルセンターで暮らし、毎年産卵するものの、全て無精卵。
子宝に恵まれず、今年もそうでした。
卵を取り上げるとすぐに再び産卵し、身体に負担がかかるので、偽卵を抱いて繁殖時期が落ち着くのを待っている最中のこと。
市丹頂鶴自然公園で有精卵が2つ生まれたのです。
一つは生みの親に戻し、もう一つを「アサヒとソラにどうか」と。
もちろん二つとも生みの親に戻すことはできますが、2羽のヒナを無事に育て上げるのは大変なこと。
1羽ずつ確実に育て上げるため、彼らに代理親として頑張ってもらうことになったのです。

ふ化の予定日を2日過ぎた6月20日の朝。
未明には雷雨だったにもかかわらず、元気なヒナが誕生していました!
小さなヒナが彼らの足元に見えた瞬間の感動、驚き、動揺・・・
いろいろな感情が沸き上がりましたが、とにもかくにも、無事に生まれてくれたことに安堵しました。
アサヒとソラの子育ては愛情たっぷり。
ヒナをとても大事にしているのがよく分かります。(写真)
寒くないか、おなかは空いていないか、親の素振りを見ていると手に取るようにその心配する気持ちが分かります。
ツルもヒトも、子を思う心は同じですね。
(河瀬幸)